多くの方に助けていただいて、令和5年7月15日に開院20年を迎えることができました。心より御礼申し上げます。
 当然のことながら、「その人にとって最善の医療を」考えながら、ずっと診療を続けてきましたが、医学的に正しいだけでは不十分で、日々いろいろと反省・改善しながら進めております。
 この20年で医療関係では新型インフルエンザや東日本大震災などの大きな出来事がありましたが、一番大きな出来事はやはり新型コロナウィルスの出現で、まさか自分が生きている間にパンデミックが起こり、発熱外来として最前線で診療を行うとは思ってもいませんでした。京都大学の医学生だった時、どなたか偉い先生が「最後は感染症」とおっしゃっていたのを、思い出しました。
 新型コロナウィルスの出現で、当院も感染対策を余儀なくされ、空間的分離に完璧を期すために、隣のテナントスペースに新医院を建築・移転しました。令和3年1月4日から、新医院で診療しております。移転の際にも、その後、発熱外来としてコロナの検査を行わせていただく際にも、テナントのオーナーである(株)中原建築設計事務所様や、新医院を設計・建築し、空気感染にも対応できる検査ボックスをお作り下さったタカラスペースデザイン様には、大変良くしていただき、心より御礼申し上げます。
 新型コロナウィルスは社会全体に大きな影響を与えましたが、旧来のやり方の問題点を改める契機にはなりました。当院も、旧医院が17年近く経過し、内装等の大規模修繕が必要と考えていたところでしたので、考えうる感染対策を全て講じられるように一から設計しなおした新医院に時機良く移転できたのは、不幸中の幸いでした。
 新医院では、全ての方に安心してご来院いただけるよう、感染対策を最重視しておりますので、お越しの方にもご協力いただきたいことがあり、ご不便をおかけして誠に申し訳ございません。新型コロナウィルスは今後も夏・冬に流行を繰り返しそうですし、新たな感染症のパンデミックがまた起こらないとも限りません。逆に、これまで、インフルエンザの流行期には、発熱された方で満員の待合室に、かかると命にかかわるかもしれない90歳前後のご長寿の方にご来院いただいていたことを、なんて危ないことをしていたのかと猛省しております。
 開院20年を迎えさせていただくにあたり、大変お世話になりました皆様に心から感謝申し上げますとともに、
皆様のご健康とご長寿、また、新型コロナウィルスの終息をお祈りいたします。