新型コロナウィルスに関しては、PCR検査が保険適応になりましたが、指定病院でしか検査できません。指定病院に紹介するには、少なくとも肺炎が起こっていないと出来ません。医療保険は治療目的ですから、診断を付けて治療方針を決めるために検査を行うのです。流行状況を把握するために行政が行う疫学調査とは違います。
すなわち、誰もが新型コロナウィルスの検査を希望すれば受けられるわけではありませんので、単に「風邪を引いたから医者に診てもらって来て」という理由だけで、部下を受診させるのは、その方の新型コロナウィルス感染のリスクを増すだけでなく、もしその方が感染されていれば、移動時や診察時に感染を周囲に広めることになりますので、厳に御慎みくださいますよう御願いします。新型コロナウィルスが本当に心配なら、風邪症状のある方を2週間自宅待機させて様子を見るしかありません。
新型コロナウィルスを心配されるなら、テレワークや時差通勤の推進,多くの社員を一箇所に集めない,人と人の距離を2m(少なくとも1m以上)あける,公共交通機関の利用をなるべく避ける,社内の換気をこまめにする,消毒用アルコールでドアノブをはじめ共有部分や社員の手指・デスク回り・化粧室の消毒を徹底するなど、の労働環境の整備と、体調の悪い方を無理させずに自宅で休ませることでお願いします。
また、若い方は新型コロナウィルスに感染しても重症化することは稀ですが、年齢を重ねるほど、また糖尿病のような持病がある方ほど、重症化する確率が高くなりますので、可能ならば、ご年配の方ほど出勤せずに自宅から指示を出すなどにされたほうが良いと思われます。
  医師・医学博士 久野慎司